脳脊髄液減少症について先日テレビのニュ－スで民主党の議員が意見をまとめて
脳脊髄液減少症が保険適用出来るように働きかけると言う内容でした。
交通事故などの衝撃で硬膜が破れて髄液が漏れて様々な症状が出るのを
硬膜の破れた箇所を本人の血液を使って破れを補修すると言うものです。
数年前にもテレビ番組でこの問題を取り上げていました。その数日後にも
新聞に全く同じ内容で取り上げていました。
その内容とは
交通事故などや転倒などの後、明らかな体の不調が続いてもその原因が
はっきりせず、困っている人は多い。
そうした患者の中に、脳脊髄液（髄液）が漏れて、様々な症状を起こしている
場合がかなりあることに、脳神経外科○○○○さん（現・○○医療福祉大学
○○病院）が気づき「脳脊髄液減少症」と言う診断名を提唱した。
脳と脊髄は、外側から順に硬膜、くも膜、軟膜に包まれている。このうち、くも膜
と軟膜の間を流れている透明な液体が髄液で、脳と脊髄を浮かべ、外部の衝撃
から守るクッションの役割を果たしている・・・ 中略 ・・・ところが何らかの衝撃で
硬膜のどこかが破れ、液が漏れると、液に浮かんでいる大脳や小脳が沈み込み、頭蓋骨の底に
ぶつかる。このため頭や首の痛み、視力障害、めまいなど様々な症状を招く
・・・ 略 ・・・
と言う内容のものです。
文章（述べている内容）でおかしなところに気づきましたか？
分かった方もいらっしゃると思いますが解説します。
まず
脳と脊髄は、外側から順に硬膜、くも膜、軟膜に包まれている。このうち、くも膜
と軟膜の間を流れている透明な液体が髄液で、脳と脊髄を浮かべ、外部の衝撃
から守るクッションの役割を果たしている・・・ 中略 ・・・ところが何らかの衝撃で
硬膜のどこかが破れ、液が漏れると、大脳や小脳が沈み込み、頭蓋骨の底に
ぶつかる。このため頭や首の痛み、視力障害、めまいなど様々な症状を招く
とあります。
赤の部分は正しいのですが、青の部分では直接関係の無い硬膜が破れると
となっています。
髄液はくも膜の下を流れているので硬膜は直接関係無いのです。
また硬膜は非常に丈夫な膜なので生命に影響するような衝撃ならいざ知らず
ムチウチ位の衝撃では簡単に破れないのです。
更に脳が頭蓋底に当たるのを何で観察したのか不明なのですが、MRIやCTなどの
測定装置は仰向けに寝て行うものなので頭蓋骨の下方向には重力は働かない
のです。まして骨に当たるような状態になれば書いてあるような軽い症状などでは
なく脳に損傷がおき、もっと重篤な症状が発生するのです。
治療法に至っては破れた箇所を血液で塞ぐと言う誠にお粗末な方法なのです。
これは穴の開いた風呂釜を泥粘土で補修しているようなものでしかないのです。
最も硬膜は破れたりはしていないのですから粘土でも良いのかもですが・・・
ちなみにこの治療を受けた方のお話によると凄く痛いそうです。痛い思いをして
見当違いではたまりませんよね！
最近ではこの診断と治療法に疑問（否定的）を唱える専門家も多いと聞きます。
前述の脳脊髄液減少症のカイロプラクティック的
な見解を述べてみます。
交通事故などの衝撃を体に受けるともちろん首にも障害を
受けることになる場合も多いのですが、この時受けた衝撃は
体表や体全体、特に中枢神経を覆って（保護して）いる硬膜が
衝撃を受け骨盤や脊柱に衝撃が伝わり骨のズレを起こし
その影響で体のあらゆるところに問題を発生させるのです。
仮にムチウチのような症状が出たとしても首だけではなく
骨盤や他の脊柱を調べて問題の箇所を探さなければ解決
することは難しいのです。
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