定義を知ることが第一歩!! 何をするにも基本をしっかり身に着けるべし
サブタイトルがなぜ定義を知ること!!になったのかの補足です。
巷のカイロプラクティック院の
施術者の殆どが定義など知らない、いわゆる技術の切り売りを受けた施術者なのだからです。
自分の場合は図らずも入学した学院のカリキュラムがきちんと整備された学院だったのです。
1994年2月ふとある新聞広告でカイロプラクティック養成なるものを見つけました。
その頃会社の将来性に不安を持っていたこともあって、日曜日に行われる学校の説明会なるものに参加しました。
そこでカイロプラクティックの何たるかの説明と学院長と言う人の実技を見て、これは将来自分の天職になると
予感がしました。
授業は水曜コースと土曜日コースの18時から21時までとのことで、水曜日は少林寺の道場で指導をしているので、土曜日を
選択し早速入学の申し込みを行いました。
新学期は4月から一年間と言う事で頑張って通うことにしました。
仕事と少林寺の指導と勉強の三足の草鞋生活の始まりです。
入学すると早速授業の始まりです。
講師にはインストラクターと言われる人達がそれぞれ2名当てられ、1時間目は生理解剖、2時間目は理論、3時間目は実技と
言う割り当てになっています。
入校式があり、ヒポクラテスの誓い、カイロプラクティックの歴史、定義の授業があり、実技は最初の数回は身体を触れる事
に慣れるためかモビリーゼーションと言う全身のマッサージに似た行為を教わりました。
これは国家資格のマッサージに抵触しないために15分以内に完結させる筋肉調整と関節の可動域をよくするためのものです。
サブラクセーション、アジャストメント、の意味等の説明を丁寧に習いその後
リスティング(骨のズレの方向)やカンパンセーションなどの授業があった。
検査法に入り、視診、触診、モーションパルペーション(可動触診法)をたっぷりと習った。
矯正技術はガンステッドテクニックを骨盤位始まり腰椎、胸椎、頚椎、後頭骨と進んだ。
途中で整形外科テスト法を学びAKのテクニックに入った。
最後はSOT(仙骨後頭骨)テクニックで一年が終了だ。
授業が進むうちに水曜日と土曜日では雰囲気がかなり違うらしく、土曜日は学院長が精力的に出てきて
技術指導を始めたのです。
その為技術担当の講師は影が薄くなり、理論の説明だけになってしまいました。
半年位が経過し、触診や矯正の技術に入るころには講師たちの実力も徐々に見えてきた。
矯正技術の授業に入るとそれは更に顕著になってきたのだ。
講師のほとんどの人は矯正技術(アジャスト)は苦手なようで、セットアップの形だけは出来ているようだが
実際の矯正となると首をかしげる場面が出始めたのだ。
更に進んでいくとこの人は出来ないのだというのがはっきり見えてきだしたのです。
それはともかく一年間は、キネシオテーピングセミナーや各種テクニックのセミナーが日曜には頻繁にあって
忙しい日々を過ごしました。
少林寺で武道整体らしきものをかじっていたのと、矯正技術を習得に必要な勘が良かったのか矯正が出来る
学院長の動きをつぶさに観察し、一年が終わるころには大体の矯正が出来るようになっていました。
クラスメイトは出来ている人はまだいないようで、型の練習に終始余念がないようでした。
授業も終盤に差し掛かった時、学院長が突然自分の手を取って頭蓋調整なるものの操作を教えてくれましたが
その時はさすがに何をしているのかはさっぱりわからなかった。
この年の生徒から上級コースを立ち上げるとの宣言があり、来年度からのスタートが決定しました。
年度末には認定試験が行われ数名を除く合格者は自動的に上級コースに進学するようでした。
認定試験終了後の学院長の面接時に、実技は寸止めでは使えないのではないかと提案と言うか意見を述べると
「それは出来ない」と一蹴されました。
後で分かったことですが、試験官を務める講師がアジャスト出来ないので、実技も寸止めで形だけのものにする
しかないのでした。
のちにこの学院をやめた後に集まった仲間と一緒に希望者を養成した時の試験では、実際の診断の試験と診断に沿った治療を
行って点数をつけ合否の試験を行えた事で、見る側がしっかり技術を持っていれば出来ることを実証したのでした。
この経験からアメリカ大学で4年間カイロプラクティックの勉強をして日本に帰ってきても矯正技術が確立されていない人が
殆どなのは、本場アメリカですら実技の試験は無いのだと想像に難くないのであった。
ともあれ2年目に進むと水曜、土曜の生徒が一緒で更ににぎやかになった。
幸い1年の授業を手伝ってほしいとの要望があり、快諾して参加することになった。
1年の授業の実技担当はあの一番出来ない講師だったのでいきなり実技の講義を振られてしまった。
実技の講義は1年の復習にうってつけなので快諾したのでした。
実技の講義を行いながら授業の休憩時間を利用して、生徒相手に矯正の練習をしまくったおかげで実技の
完成度はますます上がっていったのです。
生徒は治療してもらえ、こちらは矯正の実験台と利害関係が一致し大変有意義な時間が持てた1年であった。
2年目の授業は内臓のマニュピュレ-トと頭蓋調整が主体であった。
2年目の授業よりも1年生の実技の講義の方がこちらにとっては得るものがたくさんあったのでした。
何事も基本が第一と言うのは、少林寺の修行と指導で分かっていたのです。
1年の間には、ガンステッドテクニック、トムソンテクニックなどのセミナーが行われ多様なテクニックに
触れることが出来た。
この学院には都合9年間在籍し最終的に福岡校の責任者として後輩の指導をしたのでした。
次回はマニュアルに隠れたスゴ技をお送りします。
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