マニュアルに書かれていない隠れたスゴ技
眼光紙背に徹すと言う言葉があります。
そこに書かれた文章に隠れた本意を探せと言う事です。
カイロプラクティックの本にも読んだだけでは作者(翻訳者)の本意が分からない物がたくさん存在します。
作者は分かって書いているのか?それとも分からないで書いているのかも不明ですがその奥を解析すると実は大変なお宝が隠れているのです。
前回も新しい発見について少し触れて来ましたが、ここでも続きを書いていきます。
時系列は少し戻るお話ですが学院在籍中の最初に気づいた疑問です。
それはAKのテクニックの中の呼吸調整です。
AKのテクニックの本に呼吸調整と言うテクニックが書かれています。
この本を元にしてAKカイロプラクティックの呼吸調整について、学んだのですが書かれている事が非常に分かりにくいのです。
自分が授業を受けたときは「呼吸を利用してアジャスト(押し込む)
すれば少ない力でアジャストが可能なので使ってみてください。」
程度の説明だった。 ..
その後教える立場になっても当初はそれ以上のことは教えることが出来なかったがどうもしっくり来ないのだがそのまま(分からないから)にしていた。
何年後かにもう一度じっくり読み返してみるとやはり何かが違うようなのだ。
人は心臓による動き、呼吸による動き頭蓋・仙骨の動き(脳脊髄液の循環)もう一つまだ解明されていないと
言われている動き、この4つの動きによって生命を維持しているのです。
そのうち呼吸と頭蓋・仙骨の動きは脊柱も動かしているのです。
したがってAKに書かれている呼吸調整は呼吸に合わせてアジャストするのではなく「呼吸と
頭蓋の動きによって、椎骨が本来ある位置に戻ろうとする力が働く」のを利用することだったのだ。
最後のほうではこのテクニックは小さい子や治療を怖がる患者骨多孔症の患者などに活用できる素晴らしいテクニックであると
書かれているのに「呼吸に合わせてアジャストするのではあまりに芸が無い」と思っていたことが解決した瞬間であった。
勉強をしてたくさん疑問のある中で一番先に解明した出来事であった。
当時他の講師に指摘し説明しても自分の助手をしていた人以外は聞く耳を持たなかった。助手をしていた人と
二人でお互いに臨床で確認したのでした。
AKのテクニックのテキストではインジケーター筋(検査に使う筋肉)が弱くなった逆方向にアジャストすると
書かれているので、間違うのも無理はないのである。
後日発売の他の方の翻訳本のアプライドキネシオロジーシノプシスには、インジケーター筋が弱化を
起こす方向に1.8~2.7㎏の押圧を加えると書いてあった。
これが正しい解釈で正しい方法なのです。
授業の中では、矯正の練習ではひたすら仙骨の前方変位の矯正を練習しましたが、自分がやるといとも簡単にできるのですが、見た目以上に方向や力加減が難しいらしく中々完成しないのです。
傾斜は取れても前方が少し残ったり、傾斜も取れなかったりとかなり苦戦をしていました。
仙骨の矯正後は大腰筋の検査と調整です。
大腰筋の検査は上部に両腕を引っ張って手の長さを測って行うのですが、たかが大腰筋の検査されど大腰筋の検査なのです。
前の学院の生徒でも同様でしたが、足の長短の測定は比較的簡単なのですが、大腰筋の検査が正確に行うのは非常にむつかしいらしく、左右の力加減を均等にするのがなかなかできなくて精度が上がらないのです。
調整法は前回も少し書きましたが、縮んでいる側の大腰筋を調整するのですが、直接触れずに下腿をくの字に曲げ大腰筋を巻き取るように行うのですが、これもイメージ道理に行うのは熟練を要すようです。
授業も進み、AKのフィクセーションの場面では、弱くなった関連筋を調整することで、解消できるのではと前回書きましたがやはり正解でした。椎骨を時間差でアジャストするとテキストに書かれていたように少し歩かせると再発しるのですが、筋肉にアプローチすると全く再発しないのでした。
乳様突起ABCDテクニックでは、また新たな発見がありました。
乳様突起側を操作するように教えられていましたが、かなり相違がありました。
まず“A”テクニックは乳様突起ではなく後頭骨側の指標で、仙骨の前方変位側の部位に変形があるとその部分に触診痛があり、それを解消するには仙骨の変形部分をアジャストすると解消します。
“B”と“C”は特に大きな発見はなかったのですが、腸骨のPSISの部位と関連があるようです。
“D”テクニックでも新たな発見です。ドクターリースもビデオの中で「美容整形」と一言言っているのですが、実際に技術を見せていないのでほとんどの人は気づかないと思いますが、頭蓋骨の全体の歪みを正常にすることが出来るのです。
これは大発見の一つです。
この技術を成功させるには、後頭蝶形関節を2段階で正常にしてから行う必要がありますが、見事に頭蓋骨が正常化されるのです。
仙骨矯正を訓練している時に見つけたことがあるのです。
それは仙骨の変形です。ズレ以外にも変形していることが良くあるのです。
仙骨の変形が残っていると硬膜が悪戯して様々な影響を与え、痛みや違和感が取れないのです。
変形は大抵の場合、体の前方方向にへこんでいるのです。
へこみを矯正するには如何したら良いか、それは「前方に行って骨折していないのなら後方から適度な圧を加えてやれば反発して戻るはず」と言う結論でした。
実際にやってみると期待道理の結果でした。
SOTの授業も一通りは行いましたが、あまり効果が期待できないので簡単に済ませました。
しかし臨床ではごく稀にピッタリ該当する患者も現れることがあります。
真正のカテゴリー1の患者はカテゴリー1のブロックでなければ腸骨のアジャストでは解消できないのです。
カテゴリーⅡの患者も本当にごく稀ですが存在します。この場合は仙骨と腸骨の両方の問題でⅡブロックを施せば一度に瞬時に解消できるのです。
ともあれ1年間の終了時には長年の懸案であった実技試験も模擬ではなく、実際に診断をさせ採点し、技術も実際にアジャストさせて採点することが出来ました。
これは採点する側が実際に診断もアジャストも正確にできるからこそ実施する事ができる行為なのです。
またそうでなければ本物のカイロプラクターは生まれないのです。
ここに書いたことはカイロプラクティックのテキストはおろかどこにも載っていない事柄が殆どなのですが実際に効果が上がり哲学として存在する事象なのです。
世の中のカイロプラクティックを名乗る方々は、自分の技術や本に載っていること以外はあまり興味がないらしく興味を持たない人が殆どなのですが、興味を持っていただければカイロプラクティックの知名度はもっともっと上がること請け合いなのですが、なかなか正視してもらえない現実にジレンマがあります。
更に臨床を続けると様々な新しい発見がありました。
次回はマニュアルに隠れたスゴ技をお送りします。
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